放置空き家、空き地の雑草 お隣さんはどこに苦情を言えばよいのか?

※元の記事は2013年5月21日にアップしたものですが、その後2014年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立し、地方自治体の空家対策が本格的になったことを受けて記事の内容を2020年5月に修正致しました。

空家、空地による悪影響

管理が不十分な空家、空地は、近隣住民に悪影響を与えます。空家、空地の所有者が加害者、近隣住民が被害者という関係だと言えます。空家、空地が、近隣住民に及ぼす悪影響は主に3つあります。

  1. 植栽や雑草による影響(虫が多くなるなど)
  2. 防犯上の問題(不審者が出入りする、放火の対象となるなど)
  3. 環境への影響(景観が悪くなる、近隣の不動産価値が落ちるなど)

近隣住民にとっては迷惑な話です。何とか問題を解決したいと思っても一筋縄ではいきません。空家、空地の問題を解決するのは本当に難しいのです。

空地、空家の雑草問題

近隣住民が空家、空地に困る理由で最も多いのは雑草や植栽です。お隣の家が雑草に覆われているとしたらどう思うでしょうか?見た目も悪いし、雑草の種が飛んできて自宅の庭にも雑草が生えてきそうですよね。外からの視線を遮るくらいに雑草や植栽が伸びていると、不審者が隠れていそうで物騒です。今、日本中に空家が増えいているということは、雑草に困っている近隣住民もまた、かなりの数いらっしゃるということです。

  • 隣の空家、空地の雑草、樹木の枝が伸び放題で気になる
  • 蚊などの虫がやたら多い
  • 植栽、雑草が邪魔、視界を遮る
  • 雑草を刈ってほしいけど、所有者が誰かわからない

では、空家、空地の雑草で困ったときには、どうすればよいのでしょうか?
考えられるのは以下の3つです。

  • 所有者もしくは管理者(管理業者などがいる場合)に苦情を言う
  • 地方自治体の空家相談窓口等に相談する
  • 地域の町内会・自治会で問題としてとりあげてもらう

以下に、その詳細について解説致します。

所有者本人もしくは管理者へ苦情

まず最初にやるべきことは、当たり前ですが、所有者に連絡を取り、雑草を刈るなど適正な管理をするように苦情を言うことです。
しかし、近隣住民が空家、空地の所有者の連絡先を知っていることは意外に少ないと言えます。
所有者が亡くなり、遠方に住む子供が相続したであろうことはわかるものの、その子供たちとは付き合いが無く、連絡先がわからないことがよくあります。それでも、あきらめずに周りの住人に連絡先を知っている人がいないか聞いてみるべきです。中には付き合いがある人がいるかもしれません。(私が管理をしている空家のうち、何件かはご近所の方と連絡をとっておられました)
ご近所の中には、空家所有者のお子さんと同級生の人がいるかもしれません。同級生同士、まだ付き合いがあるかもしれませんし、付き合いが無くても、卒業生名簿等から連絡先を知ることができる場合があります。

地方自治体に相談

所有者と連絡を取る手段がない場合、地方自治体の担当窓口に相談するしかありません。
地方自治体は、土地建物に固定資産税を賦課しているため、常に所有者を把握するように努めています。納付書を送るために連絡先は必要です。
地方自治体が近隣住民に個人情報である連絡先を教えることはできませんので、地方自治体の担当者から連絡してもらいます。
担当窓口は、地方自治体によって部署名などが異なります。住民課など住民からの相談を受け付ける窓口がある地方自治体もあれば、空家対策課など空家専門の窓口で近隣住民からの相談を受け付けている地方自治体もあります。政令指定都市では窓口が区役所か、市役所本庁かわかりにくいこともあります。いきなり窓口に行くのではなく、事前に電話で相談した方がよいかもしれません。

空家相談窓口について

地方自治体は空家相談窓口を設けています。近隣の空家、空地についての相談を、空家相談窓口に言えばよいのかというと、必ずしもそうではありません。空家相談窓口の主な目的は、空家、空地の所有者の相談に応じて、活用を促し、空家、空地を減らすことだからです。空家・空地に関する近隣住民からの苦情を受け付ける窓口ではないことがあります。空家の雑草についての苦情をどこの部署で対応するのか、不明確になっていることも多々あります。どこが窓口になるのか互いに押し付け合い、各窓口をたらい回しにされることもあります。粘り強く対応をお願いし、担当者を決めてもらいます。担当者を決めていただけたら、以後はその担当者と話を進めていきます。役所の対応には腹が立つこともありますが、決して怒りをぶつけたり、「税金払っているだろう!」なんて暴言を吐かないように。冷静に、対応をお願いするという姿勢でのぞみましょう。

地方自治体の協力を得る

地方自治体に対応をお願いしても、やれることは限られています。電話番号がわかるのなら電話、電話番号がわからない場合には郵送にてご近所が迷惑しているので対応してほしいと伝える程度です。過剰な期待は禁物です。
植栽が道路まで出ていて危険であったり、家屋が倒壊する恐れがあるなど、特にひどい状態であれば、「特定空家等」に認定して、助言、勧告を行いますが、空家の庭の雑草がひどい、という程度では「特定空家等」の認定は難しいでしょう。地方自治体が勝手に雑草を刈ったりすることは原則としてできません。所有者に対応を促すのみです。担当者から所有者への働きかけを、粘り強く、何回も行ってもらう必要があります。実際に行動するのは担当者です。担当者との関係を良好に保つことが早期解決につながります。

町内会・自治会の議題に

地域の問題は、町内会・自治会を通して地方自治体へ吸い上げられています。町内会・自治会の役員の方々は、地方自治体に要望を伝え、対処してもらうように働きかけてくれます。
町内会・自治会は何をしているのかわからない、だから町内会費・自治会費は払わない、そういうことを言う住民もいますが、それは大きな間違いです。町内会・自治会は地域にとって重要な役割を担っています。管理不十分な空き家、空地による地域の環境悪化についても、町内会・自治会で問題として取り上げ、地方自治体のしかるべき部署に対応を働きかけてくれる場合があります。
空家・空地の問題は隣地所有者だけの問題ではありません。その地域全体の問題です。空家・空地の多い地域では移ってくる人が減り、地域全体の不動産価格が下落します。地域住民の資産を守るために、町内会・自治会を中心に、地域住民が一丸となって、空家・空地を減らす努力を続けていかなくてはなりません。

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