空き家は空き巣に狙われやすい
先日、ヤフーニュースで空き家を狙ったベトナム人窃盗犯が逮捕されたとのニュースを見ました。
空き家をターゲットに空き巣を繰り返していたベトナム人窃盗犯が逮捕されたそうです。
6つの県の空き家で空き巣を繰り返しており、被害はわかっているだけで172件、2400万円です。
7か月くらいの短期間で簡単に2400万円も稼げるのですからベトナム人窃盗犯はおいしいしのぎをやめられなかったことでしょう。
空き家は、空き巣にとって格好のターゲットです。
空き家の多くは防犯対策もなく、無人、簡単に侵入できます。
空き家だから中は空っぽで、価値のあるものなんてないのでは?
あなたはそう思うかもしれません。
しかし、空き家の多くに家財道具が残っています。中にはゴミ屋敷もあります。
空き家が増え続ける一方で、空き家の中に放置される物も大量にあるということです。
空き家に放置される家財道具などの中には、所有者がその存在も、価値も知らないお宝が置かれていることもあります。
空き家に空き巣に入り続けていれば、高価な品物を見つけることができる、空き巣にしてみればお宝探し。やめられなくなることでしょう。
空き家が増え続けるかぎり、空き家をターゲットにした空き巣も増え続けることはまちがいありません。
あなたの所有する空き家にも空き巣のターゲットになっているかもしれません。
空き巣が入った後処理は大変
あなたは、空き家の中を空っぽにしているから安心、空き巣に入られても被害は少ない、そう思っているのであれば、それはまちがいです。
空っぽで被害が少なかろうが、空き巣に入られてしまえば、後始末が大変です。
警察への通報、実況見分の立会い、被害届提出、割られたガラスや壊された鍵の修理などです。
私の空き巣被害体験
私は空き家を管理して今年で16年目ですが、管理物件において過去に1回だけ空き巣被害に遭ったことがあります。
発見者は私です。
入室してすぐに先月巡回に来た時と何かがちがう、違和感を感じました。
室内を確認してみると、タンスの引き出しが開けっ放しになっていたり、タンスから出したであろう衣類が散乱している部屋がありました。
さらに確認すると、裏の窓ガラスが割られているのを発見しました。
この時点で空き巣と確信し、空き家の所有者に連絡をして空き巣被害を報告。
次に警察に通報しました。
警察が来るまで現場で待機し、実況見分が始まってからは捜査員の聞き取りに応じ、指紋採取にも協力しました。
実況見分では”ゲソコン”(足跡の痕跡)も採取しており、空き巣がどこをどう歩いたかがわかり、簡単に説明を受けました。
この日の私の仕事は実況見分の立会いまで。
後日、割れたガラスの修理を手配し、ガラス屋さんの修理に立ち会いました。
何を盗まれたかの確認と、被害届は所有者本人から提出しなければなりません。
現場の神戸市から遠く離れた千葉にお住まいだったご本人は急ぎ神戸まで来ていただくことになりました。
所有者の方は、交通費、ガラスの修理代、私の立会い業務に関する報酬など余分な出費がありました。
金銭よりも、時間をかけて移動し、警察に行き被害届を出すなど、心理面での負担は大きかったと思います。
空き巣被害は、被害者にとって金銭面、心理面での負担は大きいのです。
空き家と言えども防犯対策をしっかり行い、空き巣に入られない努力を怠ってはいけません。
空き家の防犯対策
空き家に空き巣が入らないようにするため、今まで私が管理していた空き家物件において行った防犯対策の例をすべて列挙してみます。
- 玄関、窓の戸締り、施錠する
- 雨戸を閉める(雨戸のロックを忘れずに)
- 窓ガラスに補助錠を付ける
- 窓ガラスに防犯フィルムを貼る
- 窓ガラスに防犯ステッカーを貼る
- 防犯カメラを設置する
- ドア・窓に防犯ブザーを設置する
- センサーライトを設置する
- 警備会社のホームセキュリティーを導入する
管理している空き家にすべての防犯対策をしたわけではありません。
その空き家に合った防犯対策を行いました。
施錠を忘れないこと
あたりまえですが、玄関、窓、すべての出入口に施錠をすることが最優先です。
あなたがご自分で空き家を管理している場合、次に空き家に行った際に窓のクレセント錠をかけわすれていることに気付くことがありませんか?
意外にも施錠をし忘れる人は多いのです。
私は、管理している空き家の玄関、窓などの開口部を開ける際には、必ず閉める際に施錠を2回以上確認しています。
開口部が多い空き家では、簡単な間取り図を作り、開口部のところにチェック欄を作っています。間取り図と現地を確認しながら戸締りの最終チェックを行っています。
今のところ、この16年で施錠を忘れたことは一度もありません。
雨戸のロックに注意
空き巣はほとんど窓ガラスを割って入ってきます。
空き家に雨戸があるのであれば、すべて閉めておきましょう。
雨戸があれば、雨戸をはずす、こじ開ける際に音が出ますから、近隣に家があれば慎重になりますし、最初からターゲットにしない可能性もあります。
雨戸にはロックがありますので、雨戸を閉めた際にはロックも忘れずにかけておきます。
古いシャッター雨戸は、経年劣化でロックがかかりにくいものもあります。
ロックがしっかりとかかっているか確認を怠らないようにしましょう。
空き家に物は置かない
長期間、空き家にしておくのであれば、室内に物を置かないことが大事です。
売却するにせよ、解体するにせよ、家の中は空にしないといけないので、できるだけ早く片付けるべきです。
物があれば空き巣に入られた際の被害が拡大します。
特に貴重品は必ず安全な場所に移しておくべきです。

公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士
不動産投資、住宅購入のアドバイザーとして、個別相談、セミナーなどのサービスを提供している。2008年から空き家・留守宅管理のサイト「留守宅どっとネット」を運営。自ら空き家管理を実践する空き家管理人。
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