目次
お隣の空き家が解体された!
私が管理をしている空き家のお隣の話です。
空き家管理を受託した10年ほど前、お隣に平屋の一戸建て住宅が建っていました。
お隣の平屋も空き家でした。
元は所有者の両親が暮らす家だったようです。
相続した空き家、相続空き家です。
お隣の相続空き家
お隣の空き家と私が管理する空き家との境界付近には、低木の植栽が植えられていました。
お隣の空き家を所有する方は、この植栽の剪定をしていませんでした。
度々、枝葉が越境してきて困っていました。
私は、除草作業のついでに、隣地の低木を、植木ばさみで勝手に切っていました。
勝手にお隣の植栽を切ってはいけない
お隣の植栽が越境してきて困っていても勝手に切ってはいけません。
本来、空き家の所有者に、木を切ってほしいと言わなければなりません。
不動産のプロである私は、やってはいけない行為だとわかっていました。
※隣地の植栽については、過去の記事をご覧ください
『お隣の木の枝がわが家に越境!枝を切っていいの? 民法改正後(令和5年4月1日施行)は可能な場合も』
最初は、隣地の空き家所有者と交渉するつもりでした。
登記を調査して、お隣の空き家所有者がご近所に住んでいることも確認済でした。
しかし、苦情を言うことなく、勝手に剪定していました。
会ったこともない他人に苦情を言うことは、面倒で、勇気のいる行為です。
簡単にはできません。
私は、楽な方法を選んでしまいました。
(他に私の顧客と隣地所有者との関係など、複雑な理由がいくつかありました)
お隣の空き家が解体された
あるとき、お隣の空き家が解体され、空地になりました。
お隣の植栽は、建物解体時、一緒に処分され、植栽の問題は解決しました。
これで面倒な作業が無くなったと、内心、うれしく思っていました。
しかし、お隣が空地になったことで、新たな問題が発生しました。
野良猫が来るようになったのです。
お隣の空き家が解体されたことで発生した新たな問題
お隣の空き家が解体されてから、私は、野良猫のフンの始末に追われることとなりました。
これは、今でも続いています。
毎回、空き家の巡回に行くたびに、野良猫のフンを取り、猫忌避剤を散布しています。
猫忌避剤はあまり効果がありません。
12月から2月の冬の時期を除けば、巡回時に野良猫のフンが必ずあります。
(寒い時期は野良猫がいなくなります)
お隣の植栽をちょっと剪定するよりも、つらい作業が増える結果となりました。
野良猫はどこから来た?
私が管理する空き家は、お隣と、庭、駐車場の部分が接していました。
お隣との間に塀もフェンスも無かったため、お隣の空き家が解体されたことで、見通しのよい広い空間ができあがりました。
野良猫はそこを通るようになりました。
野良猫の侵入を防ぐのは簡単ではありません。
いろいろ試しましたが、今のところ成果はありません。
野良猫は、空き家管理の悩みの種です。
空き家解体前に検討すべきこと
空き家の解体後、空地を放置すると雑草が繁茂します。
空き家よりも、空地の方が雑草が生える面積が広いため、お隣、ご近所にとっては、雑草の問題がより大きくなります。
所有者への苦情は、より多く、厳しいものになります。
空き家問題は、解体して問題解決、終わり、とはなりません。
解体後、どう利用するか、そこまで考えておく必要があります。
安易に解体すると、別の問題が発生しますし、固定資産税の負担も大きくなります。
空き家の所有者は、空き家を解体後、空地をどう利用するのか、どう管理するのか、解体前に真剣に検討しなければなりません。
解体前に、事前の準備、計画が必要です。
空地の利用方法、管理について目途を付けてから、空き家を解体してください。
空き家解体を検討しているあなたに
あなたが、空き家を解体したいと思っているのであれば、行動することの難しさに悩まれていることでしょう。
何もかも、あなたが一人で段取りするのは難しいです。
遺品整理、家財撤去、ゴミ処分の業者選定、解体業者の選定、税務面を考慮した解体のタイミングなど、考えること、やるべきことがたくさんあります。
まずは、周りに相談しましょう。
自治体の空き家相談窓口か、積極的に空き家問題に取り組む不動産業者に相談してみると良いアドバイスがもらえるはずです。
特に、自治体の空き家相談窓口がおすすめです。
自治体の空き家相談窓口は、多くの相談を受け、対応した経験と実績があるからです。
自治体の空き家相談窓口は、不動産業者、家財撤去、家屋解体の業者などとつながっています。
あらゆる分野の業者、専門家を紹介できる体制となっています。
まずは自治体の空き家相談窓口を利用してみてください。
公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士
不動産投資、住宅購入のアドバイザーとして、個別相談、セミナーなどのサービスを提供している。2008年から空き家・留守宅管理のサイト「留守宅どっとネット」を運営。自ら空き家管理を実践する空き家管理人。
この記事へのコメントはありません。