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空き家でも水道管・給湯器の凍結対策が必要
冬、空き家管理で気をつけておきたいのが水道管などの凍結です。
各地の水道局は、冬、寒くなってきたら水道管の凍結対策を呼び掛けています。
水道管が凍結する目安となる温度は、-4度だそうです。
私が空き家の管理を受託している神戸市、明石市、西宮市においては、冬に雪が積もることはなく、氷点下まで気温が下がる日はほとんどありません。
しかし、真冬の夜間、早朝には0度近くまで気温が下がることがあり、条件によっては凍結することがあります。
特に、山間部となる神戸市北区などでは市街地より気温が低くなる傾向にあり、凍結による損害が出ることがあるので注意が必要です。
私は、2009年から空き家管理を行っていますが、今までに水道管が凍結した経験はありません。
私の経験では、水道管や蛇口よりも、給湯器の方が凍結する可能性が高く、破損しやすいと思います。
今までに管理している空き家で2回、給湯器の凍結による破裂、破損がありました。
空き家と言っても、所有者が数ケ月間隔で帰ってきて使用するため、給湯器をいつでも使用できる状態にしており、給湯器内に水が残っていました。
そのため、給湯器内部の配管内にある水が凍結し、破裂が起きました。
お隣の方から聞いた話だと、大きな破裂音がしたのだとか。
通常、空き家管理を受託した際、誰も使用しないのであれば、給湯器の水抜きをしてしまいます。
また、時々使用することがある空き家については、空き家の所有者の方に、給湯器のブレーカーだけは「入」にしておくようお願いしています。
給湯器が通電していれば、給湯器内にはヒーターが内蔵されていますので、凍結は起きません。
空き家だからこそ、給湯器、水道管などの凍結対策は事前に行うべきです。
凍結による破裂が起こると、水が流れ出してしまいます。
誰もその場にいないため対応が遅れます。
いつまでも水が流れっぱなしになってしまい、後で高額な水道代の請求書が届くことになるでしょう。
以下に、水道管と給湯器の凍結対策について記載しておきます。
あなたが空き家を所有し、管理しているのであれば、年間を通して凍結が起きやすい1月、2月にそなえて対応を急ぐべきです。
私も、今月の巡回で点検と凍結対策を実施する予定です。
水道管の凍結対策
1. 水抜きによる対策
・長期間使用しない場合は、配管内の水を抜く
・水抜き後、蛇口を開けたままにして、配管内に水が残らないようにする
2. 保温対策
・露出している水道管や蛇口には保温材を巻く(ホームセンターで買えます)
・保温材や断熱テープを使用する
・タオルや古新聞などを巻き、濡れないようにビニール袋などで覆いビニールテープで固定
3. 凍結してしまった場合の対処法
・蛇口が凍結している場合は、タオルなどを巻いてぬるま湯をかける
・急激な加熱は配管を破損させる可能性があるため、熱湯は使用しないこと
・自然解凍を待つ
4. 日常的な予防策
・寒い日は蛇口を開けて少量の水を流し続ける(空き家ではこの方法はおすすめしない)
・メーターボックス内に断熱材を入れることで凍結を防ぐ
凍結による破損が発生した場合は、すぐに水道局や水道局指定工事店に連絡するべきです。
素人にはわからない破損もあり得ます。
給湯器の凍結対策
水道管の凍結よりも起こりやすい給湯器の凍結。
特に屋外に設置された給湯器は要注意です。
(マンションはパイプスペース内に設置するので凍結しずらい)
破損すると高額な修理費用が発生します。
また、部品を取り寄せる必要があれば日数もかかり、複数回、業者を動かすことになりさらに修理代が高くなります。
破損の状態によっては、新品への交換が必要になることもあり得ます。
最近の給湯器は高機能で高額なものが多いので、物によりますが20万円程度は必要になるでしょう。
空き家だけに給湯器を交換するのをあきらめる方も多いですが、できるだけ空き家の維持管理費を下げるため、凍結対策はしっかりやっておくべきです。
1. 凍結予防ヒーター
給湯器には凍結予防ヒーターが内蔵されています。
屋外コンセントの電源プラグを抜かず、ブレーカーを上げ、給湯器の通電状態を保ちます。
ブレーカーの見方
全体の電源を落とすことができる一番大きなもの(サービスブレーカー)は「入」にしておきます。ここを切ると給湯器の電源も落ちます。
洋室コンセント、エアコンなどと記載がある小さい方のブレーカー(安全ブレーカー)の中で、給湯器につながっているものだけを「入」にしておけば足ります。
給湯器と記載があればわかりやすいのですが、記載がない場合、給湯器につながっている安全ブレーカーを探す必要があります。
通常は、洗面室、脱衣所など、風呂につながっている安全ブレーカーになります。
念のため、給湯器リモコンが動くか、お湯が出るか、安全ブレーカーを「入」、「切」、操作して給湯器の通電を確認してください。
3. 給湯器の水抜き
・空き家として長期間使用しない場合は、給湯器内の水を完全に抜く
・水抜きの手順は機種により異なるため、取扱説明書を確認する
・わからなにのであれば専門業者に依頼する(給湯器に設置した業者の連絡先を書いたシールがあることが多い)
・水抜き後、給湯栓を開けて配管の水を抜く
4. 凍結してしまった場合
・給湯器から水が出ない、お湯が出ないなどの症状が出た場合は、無理に使用せず
自然解凍を待つか、専門業者に点検を依頼する
・破裂などの故障が発生している可能性があるため、むやみに操作しないことが重要
給湯器の水抜きや修理は専門的な知識が必要です。最近の給湯器は追い炊き機能が付いているなど多機能で配管も多くなっているため、水抜き栓がいくつもあります。
取扱説明書を確認しながら水抜きをしてもわかりにくいことが多く、不安になるはずです。
あなたが自ら水抜きをすることに不安な場合、メーカーや専門業者に相談してください。
公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士
不動産投資、住宅購入のアドバイザーとして、個別相談、セミナーなどのサービスを提供している。2008年から空き家・留守宅管理のサイト「留守宅どっとネット」を運営。自ら空き家管理を実践する空き家管理人。
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