「位牌を探してくれ」というご依頼

空き家所有者からの頼まれごと

2009年から空き家管理人を始めて今年で17年目。
空き家管理の作業では、本当にいろいろ苦労しました。
苦労するのは、ご依頼者である家主、所有者様からは頼まれる雑多な作業です。
ゴミを処分しておいてくれ。
粗大ごみを出しておいてくれ。
枝を切っておいてくれ。
契約内容に含まれない雑多な作業も、いろいろ頼まれます。
少し変わったご依頼をあげると、空き家の中から位牌を探してほしいと頼まれたことがありました。

ゴミ屋敷のどこかにある位牌

先日、このブログに書いたゴミ屋敷でのご依頼です。
(『空き家がゴミ屋敷になっていてひどい・・・』)
ご依頼者の空き家所有者の息子さんが、この家の中のどこかに位牌があるので片付けのついでに探しておいてくれというのです。
そもそもゴミ屋敷の片付けは、空き家管理業務の契約内容には含まれていません。
無茶なご依頼でした。
「換気や通水、一般的な空き家管理の作業中に、多少の片付けは行いますので、その際に見つけることができましたらご報告します」
そう回答しました。

普通、位牌は仏壇に安置されていますが、このゴミ屋敷には仏壇がありませんでした。
息子さんの話では、どこかの引き出しにしまっているのでは、とのことでした。
引き出しの中は、私は開けることがないので、位牌探しについてあまり真剣にやるつもりはまったくありませんでした。

位牌はあっさり見つかった

位牌はすぐに見つかりました。
意外に、あっけなく、あっさりと。
見つけたというよりは、目についてしまった、というのが正しい表現です。
空き家管理を受託して2、3回目の巡回時に、窓を開けるための通路を確保しようと、床に積まれた物を横に積みつつ、窓へと進んでいました。
足の踏み場がないので体勢をくずし、タンスに手をついたのです。
ちょうど目線の高さ、そのタンスの上に、観音開きの扉が付いた小さな箱のようなもの(明らかに仏壇ではありません)が目につきました。

仏壇代わり?これは位牌が入っているのでは?
観音開きの小さな扉には鍵もかかっていなかったので、開けて確認することにしました。
開けてみると、位牌が2柱入っていました。
施設に入っている所有者様のご両親なのだと思います。
とても大事なものです。
すぐにご依頼者の息子さんに連絡をしましたが、無反応でした。
その後、位牌を引き取りに来るでもなく、管理が終了する日までそのままでした。

空き家に放置される仏壇、位牌

古い空き家には仏壇、位牌など、祭祀財産が置かれていることがあります。
空き家で法事など行われているのであればそれでよいのですが、単に放置されているケースが多々見受けられます。
人も来ない空き家に、静かに、ずっと放置され続ける仏壇、位牌。
これでいいのだろうかと、第三者ながら心苦しく思います。

位牌、仏壇は、日常的に先祖を礼拝するためのものです。
空き家に放置せず、祭祀を引き継ぐべき方が自宅に仏壇を置き、日常的に礼拝していただきたい。
空き家と一緒に位牌まで放置するのはやめてほしいものです。

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