マスコミ報道による社会的認知
最近、放置された空き家について、マスコミが取り上げることが多くなっています。
そのため、社会に広く放置空家の問題が認識されてきました。
ニュースでよく取り上げられる内容を要約すると、以下のとおりです。
- 倒壊の危険、防犯等で近隣に対して迷惑をかけている
- 行政の対応は困難であり法整備が必要(空家条例)
- 家を壊すと固定資産税が高くなることが原因の一つ
ニュースでは物件やそれを扱う行政、専門家に対する取材まではあるのですが、所有者を取材したものは皆無です。
そもそも所有者が協力してくれるはずもありません。
所有者の行方がわからないことも多いので、取材は難しいと言えます。
私は多くの空家所有者から相談を受けました。
しかし、相談するぐらいなので、空家に対して問題意識を持つ所有者なのです。
崩壊寸前まで放置するぐらいの所有者の環境や心情がどういうものなのか知りたいものです。
所有者の心情
私が対応してきた空家所有者の事情を考えてみると、人それぞれでありかなり複雑です。
空家にしている理由を分類すると主に以下の3つに分類できます。
- 家庭の問題
- 経済的な問題
- 不動産の問題
不動産の問題は、前向きに対応すれば解決できる問題であることが多く、私が管理しながら対応したケースでは平均2年程度で解決しています。
しかし、家庭内の問題とか経済的な問題はなかなか解決できるものではありません。
空家にしていることに対して、問題意識はお持ちでも、解決に向けて行動を起こすことには後ろ向きです。
「忘れたい、忘れよう」、「気にないようにしよう」、そういう思われているように感じます。
このようなケースが放置空家につながっていると考えます。
空家の問題は、所有者、物件によりそれぞれ異なり、かなり複雑です。
解決には専門家への相談が不可欠です。
公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士
不動産投資、住宅購入のアドバイザーとして、個別相談、セミナーなどのサービスを提供している。2008年から空き家・留守宅管理のサイト「留守宅どっとネット」を運営。自ら空き家管理を実践する空き家管理人。
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