賃貸物件の空室 長期化したら基本に戻ることが大事

不動産コンサルタントの菊池です。
以前から神戸市内の賃貸アパートのオーナーから空室についての相談を受けており、今日はその空室を見に行ってきました。
もう数年間も入居者がいないとか・・・。

単身者用ですが、35㎡ぐらいの広さがあり、間取りは2Kでした。
やや広めなので2人ぐらいは住めそうです。
広さは十分、これなら家賃設定を間違わなければ大丈夫そう。

しかし、部屋が汚い・・・。
気になるのは埃、クモの巣、浴室のカビ、そして臭い。
トイレの封水が蒸発して無くなっているため、汚水管からの臭いがきついのです。
このような状態では、見に来た人が借りたいなんて思わないでしょう。
これは致命的であり、一刻も早く解消しなくてはなりません。

この物件の場合、単身者用としては広く、ゆとりのあるところが売りです。
日当たりも悪くないので、内覧に来た人は、入った瞬間に広さと日当たりの良さに好印象を持つはずなのです。
それが、臭い、汚れで台無しです。
人は、悪い条件ばかり印象に残るもの。
減点法で採点しがちです。
複数の物件を内覧した後、どこに決めるか検討する段階で、悪い印象ばかりが思い出されてしまいます。
減点ポイントの多い物件は、なかなか選ばれません。

まずは基本に戻って空室の清掃と換気、通水を行うことです。
通常、空室になると改装を行い、最後に清掃をしてきれいな状態で募集します。
しかし、空室が長期化してくると少しずつ汚れ、汚水の臭いが充満してしまいます。
そうならないようにまめに換気をしたり、軽く清掃をしたり、と手をかけてあげることを忘れてはいけません。
臭いが出ないように、トイレ、流し台、浴室、洗面台、洗濯機の防水パン、それらの排水口には定期的に適量の水を流してやります。

物件が近くにあるのであれば、オーナー自らがまめに簡易清掃を行った方がよいでしょう。
不動産管理会社の担当者は、多数の物件管理を担当しており、空室の管理までは行ってくれないことが多いからです。
そもそも、不動産管理会社の収入である管理料は、入居者の家賃の数パーセントとなっていることが多く、空室からの管理料収入は無いのが通常です。
空室に時間をかけてくれることは無いと考えるべきです。

空室期間が長期化している物件の多くは、空室管理がおろそかになっています。
空室をきれいな状態に維持することは、空室募集、空室対策の基本です。
空室を内覧に来る見込み客の第一印象をできるだけ良くすること、その努力が大切です。

関連記事

  1. 空き家の郵便受けに雨水が入り郵便物が濡れる

  2. 空き家の性能と質に関する問題

  3. 軒天

    空き家の管理 必ず点検すべき4つの場所

  4. 都市圏商業地の一等地でも空家は増加する

  5. 空き家、留守宅では庭の状況確認が重要

  6. 空き家の浄化槽はどうすればよいのか?

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA